東京のコンサルティングで比較の効用を知る

2019/06/17 心理マーケティング

比較することでよく見せる

 

比較するものでよく見せる

 

不動産の内見でよく用いられる手法に、

当て馬物件があります。

 

不動産屋さんは、賃貸や売り物件を探しに来た

お客さんの要望に対して、数件の候補を挙げ、

順番に見てもらいます。

 

最初に見せる物件は、イマイチな物件。

2番目に見せる物件は、最初のものより良い物件。

3番目に見せる物件は、さらに良い物件。

最後に見せる物件は、3番目よりは落ちる物件。

 

この順番で見せることで、

お客さんは最初にガッカリして、

2番目に期待を持ち、

3番目に期待を超える物件にときめきます。

 

そして、最後の物件を見せることで、

やっぱり3番目の物件が良いと、

背中を押すわけです。

 

この際の、1,2,4番目の物件を、

当て馬物件といい、本命である

3番目の物件を引き立たせるための

引き立て役というわけです。

 

この対比の効果で、

心理的に本命の物件を

より良く見せているわけです。

 

 

高いものを先に見せる

 

対比の効果で、よく使われるのが、

高いものを先に見せるという手法です。

 

自動車の販売ディーラーで、

新車をお客さんが買うとします。

 

新車1台成約した後に、

付属のカーナビ、性能の良いタイヤ、

その他カー用品を併せて売ります。

 

それらのものは

自動車1台に比べれば安いものなので、

お客さんが買うための、

心理的ハードルが下がっているのです。

 

普段ですと、わりと高額な

買い物のはずです。

しかし、高いものを先に持ってくると、

値段がたいしたことないように、

見えてしまうのです。

 

 

中間のものが一番よく売れる

 

スマートフォンにしても、ゲーム機にしても、

パソコンにしても、自動車にしても。

 

ベストセラーの商品は、時代が進めば

アップデートされた最新版が、

次から次へと発売されます。

 

消費者の側からすると、

最新のものを常にほしいと考える人もいます。

 

しかし、最新のものが出たときには、

1世代前のモデルの価格が下がります。

その時を待って、

買おうという心理が働くことがあります。

 

最新のものを欲しがるかとおもいきや、

意外とこう考える人は多いのです。

型落ちのもののほうが

たくさん売れることさえあります。

 

それには理由があります。

人間には3つの価格のものを

並べて提示されると、

真ん中のランクのものを選びたがる

心理があるのです。

 

ゴルディロックス効果といいます。

日本語で松竹梅の法則ともいわれます。

この効果は、うまく仕組むと、

売り上げを上げることに貢献できます。

 

価格の仕掛けで言うと、「6:4:3」が

効果的と言われています。

 

 

選ぶのがわずらわしい

 

松竹梅を使うときに、注意すべきことがあります。

それは、選択肢を増やしすぎないということです。

 

多くの種類をそろえることが、

より良いサービスであると信じて、

豊富な品ぞろえを売りにしていると、

かえって売り上げが落ちてしまうことがあります。

 

人間は、選択肢があまりにも多いと、

選ぶのがわずらわしくなってしまうのです。

 

選択肢が2つだと、

人は安いほうを選んでしまうので、

売り上げを最大化したいのであれば、

松竹梅というように、やはり3つ程度の選択肢に

しぼったほうがよいでしょう。