東京のコンサルティングで財務諸表の基本を学ぶ
ざるが5つ
突然ですが、子供のころにまたは今の子供たちが、
砂場で泥遊びをするときに、
“ざる”を遊具として遊ばなかったでしょうか。
その“ざる”をイメージしてください。
そのざるは、5つ重ねて使うタイプのざるです。
上の方から①②③④⑤の順番に重なっていて、
上の方のざるほど網目があらくなっています。
一番下にはボールが重なり、すべての砂を受け止めます。
そこへ、粒の大小入り混じった土砂を
バケツ一杯に入れて持ってきます。
こぼれないように、
すべての土砂を上からざるの中へ投入します。
すると、5つのざるにはそれぞれの網目より
大きな石や砂粒が残り、一番下のボールには
一番細かい砂粒がたまります。
粗利益(売上総利益)と原価
このバケツ一杯に入った土砂が、
会社が本業その他で稼いだ、
すべての売上げというわけです。
5つのざるのうち、一番上①のざるを外して、
②~⑤のざるとボールに残った土砂を足したものを、
粗利益(売上総利益)といいます。
逆に①のざるに入っている砂利は原価です。
会社が売上げを上げる際に、不可欠な経費です。
例えば飲食店なら食材にかかる費用などが、
この原価となります。
この粗利益は会社が生み出した付加価値と、
同じ意味とみられることがあります。
それだけ、原価は確実に必要となる経費である。
ということも言えます。
営業利益と販売費・一般管理費
さらに、①②のざるまで外します。
③~⑤のざるとボールに残った土砂を足したものを、
営業利益といいます。
②のざるに入っている砂利は、
販売費および一般管理費と言われる経費です。
販売費とは、
スタッフの人件費や、広告費などです。
一般管理費とは、
間接的に営業に関わってくる、
総務部やその他事務に
かかった費用などを言います。
これらの費用は、原価とは違い、
金額が売上げに直接関係ありません。
つまり一定の費用がかかるものが多く、
それらは固定費とも言われます。
①②のざるに入った土砂をあわせて、
営業費用という言い方もします。
経常利益と営業外収益・費用
ここから先は、
本業の営業と直接関係のない、
お金の出入りが主になります。
今度は①~③のざるまで外してみましょう。
④⑤のざるとボールに残った土砂を足したものを、
経常利益といいます。
③のざるに入っている砂利は、
営業外費用といいます。
営業外費用は、主に借金の利息、
株式の評価損・売却損などです。
また、営業外収益というものもあります。
これは、上記の反対で、貸したお金の利息、
株式の評価益・売却益・配当金、
貸し出した不動産の賃料などです。
この収益は例えで言うと、
別にどこからか土砂の入った
バケツを持ってきて、
③~⑤のざるとボールの上から
いれたということになります。
税引き前利益と特別収益・損失
残り2つとなりました。
次は④のざるをどかしてみましょう。
⑤のざるとボールに残った土砂を足したものを、
税引き前利益といいます。
④のざるに入っている砂利は、
特別損失といいます。
特別損失は、③の営業外損失のうち
一度のみ、
臨時に大きな損失が発生したときなどに、
別個で計上されるものです。
③の時と同様、④でも、
特別損失と反対に特別収益があります。
この場合もやはり、
別にどこからか土砂の入った
バケツを持ってきて、
④~⑤のざるとボールの上から
いれたということになります。
純利益と法人税
ここまでざるの目をかいくぐって
落ちてきた土砂たちに、
いよいよ待ち受ける最後の関門が、
みんな大好き法人税です。
ご存知のとおり、
⑤のざるに入っている法人税は、
ほかのざるとは違い、
⑤の上に落ちてきた砂に対して決まった比率を
召し上げることになります。
逆に言うと、⑤まで砂が落ちてこれば、
一定の比率で、必ずボールにも砂が
たまることになります。
そして、ボールにたまった細かい砂粒が、
待ちに待った当期の純利益=最終利益
ということになります。
損益計算書
5つのざるは、
それぞれの会社、業種、売り上げ規模などに
よって、ざるの網目、投入される土砂の量が
違ってくることになります。
それがそのまま、損益計算書で見る
利益率などの違いというわけです。
ここでは、カンタンのために目に見える
土砂で説明しました。
これが、赤字の会社の場合、
そもそもあるべきはずの土砂がそこにない。
ということになります。
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